宝来軒は、佐野駅から1.5km程度の場所にある、数ある佐野ラーメンのお店の中でも最古参と呼べる超老舗。なんでも宝来軒は、既に創業から90年程度は経っており、初代店主が中国人の料理人から麺打ちの技術を教わり、それが現在の佐野ラーメンの基盤となったらしい。道路を挟んですぐ向かいには、現代の佐野ラーメンを代表する超人気ラーメン店の田村屋があり、その2軒が並んでいるのはなんだか面白い。

宝来軒では、今の佐野ラーメンでは殆どのお店にある餃子などのサイドメニューは置いておらず、ラーメン一本勝負。鶏や豚をベースに魚介も少し入ったようなスープは、油少なめでサッパリ、そこに手打ちのコシが強い麺が絶妙にマッチ。素朴なラーメンだけど、長く愛されていることがわかる色褪せない美味しさで、東京で今時のラーメンを食べまくっている自分からしても、宝来軒の佐野ラーメンは十分に美味しいと思えるもの。

店内には、宝来軒を訪れた有名人のサインがたくさんあり、やはり佐野市の中でも重鎮的な存在なんだと思う。今は昼のみ営業だが、極端な行列ができるなんてことはなさそう。ただし、ちょっとラーメンが出てくるのは遅め。ちなみに佐野市滞在中にお世話になったタクシーの運転手も、ここ宝来軒のラーメンが1番好きだと言っていた。